睡眠コラム
通気性のよいマットレスとは?素材ごとの違いや失敗しない選び方を解説

寝起きに背中がじっとり汗ばんでいたり、マットレスが湿っぽく感じたりするといった経験がある方もいるのではないでしょうか。とくに寝汗をかきやすい人や、小さな子どもと一緒に寝ている家庭では、蒸れにくく清潔に使えるマットレスを選びたいものです。
しかし、「通気性って素材によって差があるの?」「風通しがよすぎると冬は寒くならない?」といった疑問もあるでしょう。
この記事では、通気性の高いマットレスの特徴や、素材・構造ごとの違いをわかりやすく整理し、1年を通して快適に使えるマットレス選びのコツを紹介しています。蒸れや湿気に悩まされない寝環境を整えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
なぜマットレスの通気性が大切なのか
マットレスの通気性は、快適な睡眠や衛生面に大きく関わります。季節や個人差はありますが、人は一晩で200ml以上(コップ1杯程度)の汗をかくといわれており、通気性が悪いと湿気がこもり蒸れやすくなります。
通気性が悪いマットレスで寝ていると、夜中に蒸し暑さで目が覚めたり、朝になっても疲れが取れなかったりするなど、睡眠の質にも影響してしまいます。
また、湿った寝具はカビやダニが発生しやすくなり、アレルギーやかゆみの原因となることもあります。とくに子どもや高齢の方のように、肌がデリケートな人は注意が必要です。
こうしたリスクを避けるためにも、マットレスの通気性はしっかり確認して選ぶことが大切です。
通気性のよいマットレスに共通する特徴
「通気性がよいマットレス」と聞いても、実際には何を基準に見極めればよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、通気性の高いマットレスに共通する特徴を4つ解説します。購入前のチェックポイントとして参考にしてみてください。
- ・芯材に空気の通り道がある
- ・中材に通気性を高める加工がされている
- ・カバー素材や詰めものが吸湿・速乾性に優れている
- ・側面に通気孔やメッシュなど湿気を逃がす工夫がある
芯材に空気の通り道がある
通気性のよいマットレスの特徴としてまず挙げられるのが、芯材そのものに空気が通るすき間があることです。
寝ている間、人は多くの汗や体温を放出するため、マットレス内部に熱や湿気がこもりやすくなります。芯材の中に空間があれば、こうした湿気や熱が自然に逃げやすくなり、蒸れを軽減しやすくなります。
たとえば、中の素材が樹脂繊維を絡み合わせてできているファイバータイプや、バネが組み込まれているスプリングタイプは、空気が通りやすい構造になっています。こうしたマットレスは、中まで風が通るため湿気がこもりにくく、蒸れやカビを防ぎやすいのが特徴です。
中材に通気性を高める加工がされている
マットレスの通気性は、芯材の構造だけでなく、中材に施された加工によっても大きく左右されます。
たとえば、表面を波形にカットする「プロファイル加工」は、身体との接触面が少なくなる分、熱がこもりにくく、ふわっと軽い寝心地になります。
このほかにも、側面に空気の通り道を設けた「エアホール加工」や、内部に溝を入れて空気を流れやすくした「スリット加工」などもあります。
ウレタンマットレスを選ぶときは、こうした通気性を高める工夫があるかどうかもチェックしてみてください。
カバー素材や詰めものが吸湿・速乾性に優れている
通気性の高いマットレスは、本体だけでなくカバーにも湿気をためにくい素材が使われていることがあります。
素材 | 特徴 |
---|---|
メッシュ |
・網目構造で風を通しやすく、熱や湿気がこもりにくい |
ニット |
・伸縮性があり、通気性と柔らかな肌ざわりを両立 |
コットン |
・吸水性に優れ、汗をしっかり吸い取る |
リネン |
・吸湿・速乾性が高くさらっとした肌ざわり |
化学繊維系 (ポリエステル等) |
・吸湿・速乾に加え、抗菌・防臭などの加工がされていることもある |
とくに夏は、通気性や速乾性のあるカバーに替えるだけでも、蒸れにくく快適に眠れます。逆に冬は、通気性は保ちつつも保温性がある素材を使うと、冷えすぎず心地よく過ごせます。
側面に通気孔やメッシュなど湿気を逃がす工夫がある
通気性の高いマットレスは、中の素材だけでなく、側面のつくりにも湿気を逃がす工夫がされています。
たとえば、側面に小さな通気口(エアベント)がついているタイプもあり、寝返りなどの動きにあわせて空気が自然に出入りしやすくなっています。中には、通気口にファスナーがついて開閉できるものや、立体的に風を通す3D構造のメッシュ素材を使ったものもあります。
こうした側面の通気性にも注目すると、蒸れにくく快適に使えるマットレスを選びやすくなります。
マットレスの素材によって通気性は違う?
マットレスの通気性は、構造やカバーの工夫だけでなく、中に使われている素材にも大きく左右されます。
ここでは、代表的な4つの素材について、それぞれの通気性や特徴について解説します。
素材 | 特徴 |
---|---|
スプリング系 |
通気性は高いが本体を洗えない |
ウレタン系 |
密度が高く通気性が低め |
ラテックス系 |
通気穴の有無により異なる |
ファイバー素材 |
通気性が高く蒸れにくい |
「カビの発生しやすさ」「お手入れのしやすさ」「使用環境との相性」など、選ぶうえで押さえておきたいポイントもあわせて確認しておきましょう。
スプリング系|通気性は高いが本体を洗えない
スプリングマットレスは、内部に金属製のバネ(コイル)が入っており、その周囲に空間がある構造のため、風が通りやすい点が特徴です。湿気や熱がこもりにくく、背中が蒸れにくいため、夏場でも比較的快適に眠れます。
中でもボンネルコイルタイプは、コイル同士がつながっており空気の通り道が多く、横方向にも風が抜けやすい構造です。
一方、ポケットコイルタイプは一つひとつのコイルが独立して袋に包まれているため、通気性はやや劣りますが、それでも一般的なマットレスとしては十分に風通しがあります。
ただし、どちらも本体は水洗いできないため、清潔に使うための工夫が必要です。たとえば、カバーを取り外して洗えるタイプを選んだり、湿気対策として除湿シートやベッドパッドを組みあわせたりすると、より快適に使いやすくなります。
ウレタン系|密度が高く通気性が低め
ウレタン素材のマットレスは、身体を面でしっかり支える反発力が魅力ですが、素材に空気の通り道が少ないため、通気性はそれほど高くありません。とくに密度が高く風が抜けにくいタイプは、体温や湿気がこもりやすく、夏場は蒸れを感じやすくなります。
しかし最近では、通気性を高める工夫がされたウレタンマットレスも増えてきました。内部に空気が抜けやすい構造を取り入れたオープンセル構造や、表面に凹凸をつけて熱を分散しやすくしたプロファイル加工、側面に通気穴を設けて湿気が抜けやすくしたスリット加工などがあります。
ウレタンマットレスを選ぶときは、こうした通気性を高める仕様があるかどうかもチェックしておくと安心です。
なお、ウレタンマットレスには「高反発」と「低反発」のタイプがあり、それぞれ寝心地や耐久性に違いがあります。
▼こちらの記事では、高反発・低反発の違いについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ウレタンマットレスとは?|高反発・低反発の違い、通気性や耐久性についても解説
「ウレタンマットレスとはどんな素材?」「ウレタンマットレスのメリット・デメリットは?」と疑問を持っていませんか?この記事では、ウレタンマットレスの特徴について解説します。
https://airweave.jp/blogs/column/column-mattress-urethane.html
ラテックス系|通気穴の有無により異なる
ラテックスマットレスは、天然ゴムを原料とした弾力のある素材で、身体をやさしく受け止めつつもしっかり支えてくれる点が特徴です。
ただし、素材自体は密度が高く、そのままでは空気を通しにくいため、通気性を高めるために「通気穴(ピンホール)」が設けられている製品が多くあります。
通気穴の数や大きさによって、使い心地は大きく変わります。しっかりと穴が設けられているものは、寝汗や熱がこもりにくく、夏場でも快適に使えます。
また、ラテックスは反発力と柔らかさのバランスがよく、体圧を分散してくれるため、腰や肩など体の一部に圧力が集中するのを和らげる効果が期待できます。
ファイバー素材|通気性が高く蒸れにくい
ファイバーマットレスは、通気性に優れていて蒸れにくく、洗えるタイプも多い点が特徴です。繊維が立体的に絡み合った構造(3次元網状構造)になっており、製品によりますが全体の約90%以上が空気の層でできています。
上下左右どの方向にも風が抜けやすく、寝汗や湿気がこもりにくいため、汗をかきやすい方や暑がりの方にも向いています。
また、水を通す素材が使われているため、シャワーなどで水洗いできる製品もあり、清潔さを保ちやすい点も魅力です。子どものおねしょや、ペットのトイレの失敗があっても手軽に洗えるため、衛生面を気にする家庭でも安心して使えます。
通気性のよさに加えて、お手入れのしやすさも重視したい方におすすめなマットレスです。
通気性に優れたエアウィーヴのマットレスおすすめ3選
エアウィーヴのマットレスは、空気を多く含んだファイバー素材を使っており、寝汗や湿気がこもりにくい点が特徴です。内部に湿気をためにくい構造のため、通気性を重視する方や、寝苦しさを避けたい方におすすめです。
中でも通気性と使いやすさのバランスに優れた、家庭で使いやすいマットレスを3つ紹介します。
エアウィーヴ ベッドマットレス S03

おすすめポイント
- ・湿気や蒸れをため込みにくい
- ・肩・腰・脚の3パーツで硬さを調整できる
- ・裏返すだけで寝心地をカスタマイズできる
エアウィーヴ ベッドマットレス S03は、通気性のよさと硬さ調整のしやすさの両方を重視したい方におすすめなマットレスです。
湿気がこもりにくいエアファイバー®素材を使用しており、寝汗が気になる季節や湿度の高い日でもさらっとした寝心地が続きます。
さらに、肩・腰・脚の3つに分かれた中材は、それぞれ表と裏で硬さが異なり、体形にあわせて自由に組み替えられます。たとえば、肩の部分を柔らかめにすることで、寝返りがしやすくなり、寝姿勢の安定感も高まりやすくなります。
自分の感覚にあわせて調整しながら、心地よく使い続けられるマットレスです。
素材 |
中材 |
---|---|
カバー |
|
パッド |
|
保証期間 |
3年保証 |
サイズ |
シングル |
セミダブル |
|
ダブル |
エアウィーヴ 01

おすすめポイント
- ・通気性と保温性を両立したカバー仕様
- ・横向きでも無理なく寝姿勢が整いやすい
- ・寝返りがラクにできる構造
「通気性のよいマットレスを探しているけれど、快適さや寝姿勢のバランスも大切にしたい」という方には、エアウィーヴ 01がおすすめです。
両面仕様のカバーは、通気性に優れたCool面と、保温性の高いWarm面に分かれており、季節の変化に応じて使い分けが可能です。湿気がこもりやすい夏でもさらっとした感触が続き、冬場も冷えすぎることなく過ごせます。
また、肩の部分が柔らかく設計されている点も特徴です。横向きでも肩が若干沈み込むことで、背骨がまっすぐに近い姿勢を保ちやすいため、肩や首まわりに違和感が出にくくなります。寝返りもしやすく、夜中に何度も目が覚めてしまう人にとっては、動きやすさの違いを感じやすいでしょう。
通気性・使い心地・お手入れのしやすさを備えており、いま使っている寝具に重ねるだけで寝心地を変えられるマットレストッパータイプなので、すぐに睡眠環境を変えたい方にも、おすすめです。
素材 |
中材 |
---|---|
カバー |
|
保証期間 |
3年保証 |
サイズ |
シングル |
セミダブル |
|
ダブル |
|
クイーン |
|
キング |
エアウィーヴ スマート Z01

おすすめポイント
- ・寝汗や湿気がこもりにくい
- ・カビを防ぎやすい設計
- ・毎日の手入れも手間がかからない
「朝起きたら敷き布団の裏がひんやりしてる」「カビが気になる」といった悩みがある方には、エアウィーヴ スマート Z01がおすすめです。
中わたが少ない分、空気が抜けやすく、身体と床の間に熱や湿気がこもりにくくなっています。暑い時期や寝汗が気になる方でも、表面がベタつきにくく、さらっと使えるのが特徴です。
また、使わないときは立て掛けるだけで風を通せるため、こまめに干せない日があっても湿気を逃しやすく、カビやニオイの発生も抑えやすくなります。
「夏の寝苦しさや湿気が気になるけれど、ベッドを置く余裕はない」「干すのは大変だけど、清潔には使いたい」といった方にぴったりのマットレスです。
素材 |
中材 |
---|---|
カバー |
|
保証期間 |
3年保証 |
サイズ |
シングル |
セミダブル |
|
ダブル |
マットレス選びで通気性とあわせて確認したい3つのポイント
通気性だけでなく、寝心地や扱いやすさまで含めて、自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
実際に使いはじめてから「思っていたのと違う」と後悔しないよう、以下のポイントも押さえておきましょう。
- ・冬でも使いやすいか
- ・寝心地との相性はどうか
- ・長く使える素材か
冬でも使いやすいか
通気性の高いマットレスは、夏は蒸れにくく快適ですが、冬は、冷えを感じやすくなることもあります。
ファイバー素材は、製品によりますが約90%以上が空気層でできており、冬は中の空気に体温が伝わるため、暖かく使えますが、使う環境によっては冷えを感じる場合もあります。
冷えを感じる場合は、保温性のある敷きパッドや毛布を組みあわせるなどするとよいでしょう。
一方、ウレタンやポケットコイルのマットレスは空気の層が少なく、体温がこもりやすいため、冬でも冷えを感じにくいメリットがあります。
1年を通して使いたい方は、「オールシーズン対応」や「冬でも快適」といった表記を確認すると安心です。
寝心地との相性はどうか
自分の体格や寝姿勢と寝具の相性を見極めることも大切です。
たとえばファイバー素材は、湿気がこもりにくく風通しのよい構造ですが、やや硬めの寝心地が特徴です。
腰をしっかり支えたい方には向いていますが、体重が軽い方には反発が強く感じられることもあります。
一方で、柔らかめのウレタン素材は身体を包み込むような感触ですが、沈み込みが大きいと寝返りが打ちにくくなり、かえって腰に負担がかかることもあります。
体格の大きい方には高反発ウレタン、高齢の方や小柄な方にはほどよく沈み込む中反発素材が合いやすいでしょう。
横向きで寝ることが多い方には、肩や腰への圧迫をやわらげやすいポケットコイルタイプがおすすめです。
長く使える素材か
通気性の高いマットレスを選ぶときは、どれくらい風通しのよさが持続するかも確認しておきたいポイントです。
使いはじめはさらっとしていても、数年でへたって空気が通りにくくなるようでは、買い替えが早まりかえって損することもあります。
また、「中材が洗える」「カバーが丸洗いできる」といった清潔に保ちやすい仕様かどうかも大切です。
とくに湿気や寝汗が気になる方は、定期的にお手入れしやすいかどうかにも注目すると安心です。
長く快適に使いたい方は、ウレタンの密度やコイルの耐久性、ファイバーの構造など、素材ごとの特徴を見比べて選ぶのがおすすめです。
通気性のよいマットレスに関するQ&A
マットレスの通気性について調べていると、「結局どの素材が一番蒸れにくいの?」「床に直接敷いても大丈夫?」といった使用面の疑問も出てくるものです。ここでは、よくある2つの質問とその答えについて解説します。
- ・ウレタンより通気性がよい素材って何?
- ・畳や床に直接敷いても湿気がこもらないマットレスはある?
ウレタンより通気性がよい素材って何?
通気性を重視する場合は、ファイバー・スプリング・通気加工されたラテックスなどがおすすめです。
ファイバー系は、製品によりますが90%以上が空気で構成されており、湿気がこもりにくいため、夏場でもさらっと使えるのが特徴です。
スプリング系は、内部にすき間があるため空気が抜けやすく、ボンネルコイルもポケットコイルも、いずれもウレタンより通気性に優れています。
ラテックス素材はもともと通気性は高くありませんが、通気穴のあるタイプであれば、蒸れを感じにくくなります。また、ウレタンでもオープンセル構造や通気性を高める加工がされていれば、蒸れを軽減できる場合があります。
畳や床に直接敷いても湿気がこもらないマットレスはある?
畳やフローリングにマットレスを直接敷く場合は、湿気がたまりにくいファイバー素材のマットレスが向いています。空気の通り道があり、下からの湿気も抜けやすいため、カビやニオイの発生を抑えられます。
とくに三つ折りタイプは、使わないときにサッと立てて風を通しやすく、湿気をため込みにくい点でも扱いやすさがあります。エアウィーヴ スマート Z01のように、自立しやすい形状であれば、床に敷いたままでも湿気がこもりにくく、お手入れもラクになります。
また、床との間にすのこを敷いて空気を通したり、除湿シートで湿気を吸収したりする工夫も効果的です。
なお、畳や床への直置きを考えている方は、カビ対策やマットレス選びで気をつけたいポイントもあわせて確認しておくと安心です。
▼こちらの記事では、和室ベッドの注意点や選び方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

マットレスに発生するカビの原因は湿度?対策方法とカビ取り方法を解説
マットレスのカビを安全に除去する方法やカビの予防策を解説します。
https://airweave.jp/blogs/column/column-mattress-tatami.html
通気性を比べるなら素材・構造・使う環境の3つで見極めを
マットレスの通気性を見極めるときは、「何でできているか」だけではなく、構造と置く場所の環境にも目を向けることが大切です。どれか1つだけを見て判断すると、実際に使いはじめてから「思ったより蒸れる」と感じる原因になります。
たとえば、ウレタンは密度や空気の通り道の有無によって差が出やすく、ファイバーは空気を多く含む構造で湿気がこもりにくい点が特徴です。スプリング系はコイルのすき間に風が通りやすく、ラテックスは通気穴などの加工があるタイプであれば、蒸れを軽減できます。
マットレス選びでは、素材だけで判断せず、「どのような構造か」「どこに置いてどう使うか」までセットで考えることが失敗しないコツです。
通気性のよさを重視する方には、エアウィーヴのマットレスがおすすめです。中材の90%以上が空気でできた独自構造により、湿気や寝汗がこもりにくく、蒸れやカビが気になる方にも使いやすいマットレスです。
店頭で実際に寝心地を試せるため、通気性と快適さの違いを体感してみてはいかがでしょうか。