脳科学的に見ると、
睡眠は「能動的」な行為
私たちは1日のうちの3分の1から4分の1の時間を眠って過ごしています。 この時間を「もったいない」と感じたことがある方もいるかもしれません。
しかし、実は眠りは人の脳に大切な役割を果たしているのです。
脳科学者の中野信子先生が脳科学の視点から解説します。
中野信子さんのインタビュー動画はこちら
脳は眠っている間にクレンジングされている
睡眠を受動的な「休息の時間」と捉えている人は少なくありませんが、実は脳科学の視点から見れば、睡眠は脳の健康、認知、感情の調整において重要な役割を果たす能動的な行為です。
眠っている間に、脳は頭蓋骨のなかで縮んだり膨らんだりして脳脊髄液を押し流し(ポンピング)、老廃物を洗い流します。この現象は睡眠時にしか起こらないため、睡眠を取らないと脳に老廃物が溜まってしまうことになります。
老廃物が溜まると、健康な脳細胞の働きは阻害されます。さらに、新しいシナプス(神経細胞同士が連絡する接点)が作られにくくなるため、物事が覚えにくくなったり学習が阻害されたりすることもあるのです。
このような状況が続くと脳の萎縮が起こることがあります。慢性的な睡眠不足は単に疲労を引き起こすだけでなく、認知機能の低下を加速させ、メンタルヘルスの不調を引き起こすリスクを高めるとともに、神経変性疾患の一因となる可能性すらあるのです。
さらに、睡眠不足によってアミロイドベータという脳内物質が十分に排出されず、脳に大量に蓄積するとアルツハイマー型認知症を引き起こす可能性があることも報告されています。短い期間での睡眠不足が直ちに影響を及ぼすものではありませんが、長期的にはリスクを増大させてしまうでしょう。
適切な睡眠は、脳を健康に保つことにもつながっているのです。
睡眠で身体能力も向上
睡眠は身体能力にも影響を及ぼすことがわかってきました。
『Scientific Reports』という学術誌で、エアウィーヴで睡眠を取った若年アスリートのパフォーマンスが向上したことが報告されました。
このレポートによれば、エアウィーヴを使用したアスリートは40メートル走のタイム短縮、立ち幅跳びの跳躍距離の向上、スタードリル(敏捷性テスト)のスコア上昇が観測されました。
エアウィーヴは通気性が高く体温の調節がしやすいことが、交感神経の活動を低下させ深い睡眠につながっていると考えられます。
身体の疲労を効率的に回復することがパフォーマンス向上に寄与しているのではないでしょうか。
寝具は睡眠の質に影響を及ぼし、それは起床時のパフォーマンス向上にもつながっているのです。
エアウィーヴで深い睡眠時間が長くなる
寝具によって睡眠の質に差が出ることは、他の論文でも明らかにされています。
2018年、アメリカの科学雑誌である『PLOS ONE』で興味深い論文が掲載されました。
エアウィーヴ独自のエアファイバー構造を持つ高反発マットレスパッドを使用して眠ると、深い睡眠がより多く得られるというものです。
スタンフォード大学の西野精治博士による日本人の健康な成人を対象とするこの研究では、エアウィーヴのマットレスパッドと低反発ウレタンマットレスを使用した場合を比較し、そのときの身体の状況を計測しました。
すると、エアウィーヴのマットレスパッドを使用した時のほうが、入眠時の深部体温の低下が早まり、深い睡眠時間が長くなったり、寝返り時の筋肉活動が53〜66%も減少したりしていることがわかったのです。
これは、マットレスパッドの通気性の良さが深部体温の低下を促し、睡眠の質を向上させていると考えられます。
通気性の良い寝具は特に、睡眠初期の生理機能を改善する可能性があります。
この研究のなかでは脳波(EEG)の測定が行われており、深い睡眠の増加が見られました。
寝返りがしやすい寝具は血流を良くする
また、エアウィーヴのマットレスパッドは復元性が高く、寝返りがしやすいという特長もあります。
寝返りは通常、一晩に20回から30回ほど起こるもので、これにより筋肉や関節、皮膚に圧力が偏ることが緩和され、血流が改善されます。
健康な人においては、このような動きが睡眠の質を下げることは通常はありませんが、マットレスと体が合っていないと適切に寝返りが打てず、睡眠中に疲れが残ることがあります。自然な寝返りにはある程度の反発力のある寝具が必要であり、エアウィーヴのマットレスパッドのような寝具を選ぶことは睡眠の質の向上を期待できるのです。
能動的で重要な行為である睡眠。寝具選びによって質に差が出るのであれば、しっかりこだわってみてもいいのではないでしょうか。
この記事の監修者
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医学博士/脳科学者
中野信子 -
東京大学工学部 応用化学科卒業
東京大学大学院 医学系研究科脳神経医学専攻 博士課程修了
フランス国立研究所にて博士研究員として勤務
東日本国際大学教授に就任
京都芸術大学客員教授に就任
森美術館理事に就任
現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。
科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。