中野信子から学ぶ「睡眠」のチカラ

「頭寒足熱」の脳科学的な根拠

「頭寒足熱」の脳科学的な根拠

頭は冷やし、足は着るものでしっかり温めておく「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」。
健康に良いスタイルだと言われますが、科学的な根拠はあるのでしょうか。脳科学の観点から脳科学者中野信子先生が解説します。

頭を冷やせば、スムーズに眠れる

「頭寒足熱」は睡眠には大いに関係がある言葉だといえます。

就寝時、深い眠りにスムーズに移行するためには、深部体温を下げることが大切です。
これは体のほかの部位だけでなく、脳の温度も同じ。しかし、脳は頭蓋骨に囲まれているため、他の部位より深部の温度が下がりにくい傾向があるのです。
そのため頭部の熱が逃げやすい環境を作ることで、良質な睡眠に近づくことができます。

一方で、足は筋肉や脂肪が骨の外側にあるため冷えやすく、さらに心臓からも遠いため血流が悪くなりやすい傾向にあります。そのため、適切に温めて血液を循環させてあげる必要があります。

脳の熱を逃がし、足の血流を良くする――。
これを適切に行うとまさに「頭寒足熱」の状態になるというわけです。

「頭寒」は枕で実現できる

「足熱」は、布団をかけることで簡単に実現できますが、「頭寒」の環境はどうしたら作れるのでしょうか。
これは寝具を工夫することで可能になります。
頭を乗せたときに後頭部や側頭部に熱がこもらない枕を選ぶことで、熱を自然に外へ逃がし「頭寒」の状態を作ることができるのです。

つまり、枕を選ぶときは、高さや硬さ、形状などはもちろんのこと、通気性にもこだわってみるといいでしょう。これまで以上に快適な睡眠を得られるかもしれません。

人間にとって最重要部位である頭を長時間支え続けてくれる枕。
こだわってみる価値は十分にあるのではないでしょうか。

この記事の監修者

医学博士/脳科学者
中野信子
東京大学工学部 応用化学科卒業
東京大学大学院 医学系研究科脳神経医学専攻 博士課程修了
フランス国立研究所にて博士研究員として勤務
東日本国際大学教授に就任
京都芸術大学客員教授に就任
森美術館理事に就任

現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。
科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。

公式オンラインストアは
こちら