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友野なお"
子どもの睡眠時間はどのくらい?
理想や睡眠不足の影響も解説!
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体や心の健康のために睡眠は重要です。
厚生労働省の心身の健康づくりのための新たな「睡眠指針2023」によると、
「成人は6時間以上」「小学生は9~12時間」「高齢者は個人の体調や生活状況に合わせた時間」など、年代別に適切な睡眠時間を確保することを推奨しています。
その中でも、子どもにとっての睡眠の質に注目が集まっています。
今回は、株式会社SEA Trinity代表で睡眠コンサルタントの友野なおさん監修のもと、子どもの理想の睡眠時間や、睡眠不足が及ぼす影響について実体験を交えながら解説します。
習い事や塾などで睡眠時間が足りない?
「我が子には幸せになってもらいたい」「将来優秀に育ってもらいたい」「スポーツ万能な子にに育ってほしい」など、親が子どもに抱く想いはさまざまです。
しかし、その思いが強くなればなるほど、その願いから遠ざかってしまっているケースが多々あります。
例えば、「幸せになるためには、まずは勉強ができなきゃ!」と子どもを遅くまで塾に通わせたり、「優秀になるためにはたくさんの経験をさせしないと!」と毎日習い事の予定を詰めていたり。
私の子どもが通っていた幼稚園でも、教育熱心な親御さんは土日を含めた週7日間、毎日子どもに2つ個の習い事を掛け持ちさせていました。加えて、プラス、家庭学習もしっかりとやられていたので、いつもその子は寝不足状態で眠そうな目をしていて、なんだかいつも元気がないように見えていました。さらに運動会近くになると、日々の習い事に加えて近所を走らされていたようで、もはや子どもにとってリラックスできる時間はあるのだろうかと心配になったほどです。
睡眠不足が及ぼす子供への影響とは

子どもの心身、そして脳の成長のために十分な睡眠時間が欠かせません。
3歳~5歳であれば10時間~13時間、6歳~13歳であれば9時間~11時間、14歳~17歳では8時間~10時間が必要です。
十分な睡眠がとれていないと、子どもは攻撃的になったり、情緒が不安定になったりしてしまいます。
また、せっかく「子どものため」と思って塾に通わせていても、就寝時刻が遅かったり、睡眠時間が短かったりする子どもは成績が悪いことも研究で報告されているので本末転倒です。
昔は「四当五落(よんとうごらく)」という言葉があり、「5時間も寝たら受験に落ちる!睡眠時間を制限して勉強せよ!」というような考えを持つ人も多くいましたが、今は間違っていることが分かっています。
睡眠時間に記憶の整理や固定が行われるので、学んだことを脳に刻み込むためにも、睡眠時間も立派な学習時間として重要といえるのです。
また、しっかり眠ることで1日の疲れやダメージが修復されるだけでなく、翌日頑張るためのエネルギーチャージも行われるため、集中力、持続力、判断力、注意力、クリエイティブ能力が高まり、ハイパフォーマンスが発揮されます。
日々の学習プラン、あるいは受験対策を作成するにあたり、睡眠時間の確保もぜひ重要項目として考えていただきたいです。
ちなみに、私が子どもの頃は眠っている間に暗記系を覚える効果的な方法として、就寝中にCDをかけ流しする「睡眠学習」が流行りましが、これはおすすめできません。
高い睡眠の質を維持するためには、図書館と同じぐらいの静けさが必要ですし、なるべく刺激となるような音や光は排除したほうが良いでしょう。
子どもと相談して睡眠時間を確保しよう
情報過多な時代。子育て中の親としては不安の渦に飲み込まれてしまいそうになる瞬間があると思います。
不安だからこそ、あれこれ習わせて、早期教育に力を入れることで少しでも安心感を得たいと思った時期が私にもありました。
しかし子どもの将来への漠然とした、「不安」から始まる子どもへのアプローチするのではなく、「今」の子どもをよく観察して、一緒に喜んだり、チャレンジしたりするアプローチにシフトチェンジしたら、日々のストレスがぐっと軽くなり、親子でこれまで以上にぐっすり眠れるように!
子どもの未来はまだまだこれからで、人生は長く続きます。
あまり急がず、巷に溢れる情報に過度な不安を覚えず、目の前にいる子どもをよく見て子ども自身が心身ともにしっかりと休める時間をつくってあげてくださいね。
▼こちらの記事では、寝不足が健康に及ぼす影響やリスクを解説しているので、ぜひご一読ください。
この記事の監修者
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睡眠コンサルタント
友野なお -
株式会社SEA Trinity代表取締役
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士課程 順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士
日本公衆衛生学会、日本睡眠学会 正会員
産業心理カウンセラー
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さらに詳しく
順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士
日本公衆衛生学会、日本睡眠学会 正会員
産業心理カウンセラー
自身が睡眠を改善したことにより、15kg以上のダイエットと重度のパニック障害の克服に成功した経験から、睡眠に関心を持ち、順天堂大学
大学院スポーツ健康科学研究科博士前期課程にて睡眠を研究し、修士号を取得。
現在は先進予防医学医学博士課程にて、睡眠と健康に関する研究活動を行っている。
著書に「眠れないあなたを救う睡眠ファースト」(主婦の友社)など多数発売され、韓国・台湾・中国全土でも翻訳され発売されている。
眠れると話題の「ぐっすり眠れる不思議な塗り絵」(西東社)は9シリーズ発売されるほどの人気。