黄体期にプロゲステロンの分泌が増加するに伴い、深部体温が上昇し、深い「徐波睡眠」が減少するというシナリオが生理期間中の睡眠の質低下の背景として考えられています。
また、月経に伴う痛みや不快感も睡眠に影響を及ぼします。
重い月経困難症がある女性は軽度の月経困難症である女性と比較して、入眠までの時間や夜中に覚醒している時間が長く、中途覚醒の回数も多いことが明らかになっており、睡眠効率や主観的睡眠の質が悪いことが科学的にも判明しています。
月経困難症がある女性はない女性と比較して、浅い睡眠の割合が増加することも報告されているのです（1）。
さらに、生理前からイライラしやすくなったり、感情的になったりする方も少なくありません。
こうしたストレスフルな状況も、睡眠を妨げる大きな要因となるのです。

対策としてはまず、アプリなどを活用して自分の生理周期を正確に把握することから始めましょう。
周期を把握することができたら、生理前から生理期間中にかけて無理のないスケジュールを組むことが重要です。
気がのらない飲み会などには参加せず、自分が心身ともに癒やされるような予定を入れましょう。
マッサージや美容室、ヘッドスパ、１人映画、家でのんびりするなど何でも構いません。
やりたいことが決まったら早めに自分のスケジュール帳に書き込んでみてください。
スケジュール帳に何も書き込まれていないとダラダラ残業をしたり、なんとなく誰かの予定に付き合うことになってしまったりなどといったことが起こりやすくなります。
ですがスケジュール帳に予めやると決めたことを書いておくだけで、自分の決めたことに自信をもって行動できるものです。
また、この時期はいつも以上に手足を温めて、深部体温が体外にスムーズに放熱されるようサポートする必要があります。
足首にはレッグウォーマーを着用する、そして手首にはポイントウォーマーを着用するなどして、手足を積極的に温めてくださいね。
体の中心であるお腹も冷えてしまっている方が多いので、薄手の腹巻きの着用も効果的です。
睡眠改善し始めた頃の私は冷えが本当に酷く、PMSにも相当悩まされていたのですが、手足とお腹を温めることを徹底したことでPMSの緩和と冷え改善が叶いました。
基礎体温も35℃台だったところから、37℃近くまで上がり、免疫力を高めることにもつながったのです。

生理前から生理期間中はゆとりある生活を心がけ、極力ストレスがかかることは避けて、自分を労る期間として捉えましょう。
思い切り泣ける映画を見たり、大笑いできる動画をみたりするのも感情をコントロールするおすすめの方法ですよ。
家族がいる場合は、この時期にいつも以上にサポートしてほしいなどの気持ちを素直に伝えて、ぜひ自分に優しく過ごしてくださいね。