ショートスリーパーとは?
睡眠時間の特徴を紹介!
「ショートスリーパー」と聞くと、短い睡眠時間でも元気に過ごせる人を思い浮かべるかもしれません。
睡眠を削っても平気なら、その分を趣味や仕事にも充てられて、毎日がより充実しそうですよね。
でも本当にそんな生活は可能なのでしょうか?
今回は、株式会社SEA Trinity代表で医学博士/睡眠コンサルタントの友野なおさんに、ショートスリーパーと睡眠時間について解説していただきました。
睡眠時間とショートスリーパー
適切な睡眠時間には個人差があるとはいえ、アメリカの国立睡眠財団が提唱している働き世代における理想の睡眠時間は「7~9時間」程度。
実際にアメリカで約110万人を対象に行われた大規模な睡眠と健康に関する調査では、7時間程度の睡眠時間をとっている人たちの死亡率が最も低いということが明らかになっています。(1)
私自身も自分に合う睡眠時間を色々と試した経験があるのですが、やはり7時間の睡眠時間の確保が心身の健康維持と日中のパフォーマンスレベルの維持に欠かせないという結論に至り、今日までずっと「絶賛毎日7時間睡眠」です。
自分はショートスリーパー?
一方で、睡眠時間が短いのにいつも元気で、生産性も高くて、情緒も安定している人っていませんか?
実はそういう方は「ショートスリーパー遺伝子」をもっている選ばれし者!
カリフォルニア大学の研究グループが行った調査では、「DEC2」と呼ばれる遺伝子の変異がショートスリーパーの発生に関与していることということが示されていて、ショートスリーパーの発生頻度は10万人に約4人(2)とのこと。
非常に稀なのです。
ショートスリーパーは6時間未満の睡眠時間でも心身に影響が出ず、パフォーマンスも落ちません。
それどころか、日中に眠気が襲ってくることもなく、休日に寝溜めをすることもありません。
しかし普段睡眠のお悩みなどをヒアリングしていると、「自分はショートスリーパーなので、毎日5時間程度の睡眠で仕事ができています!」という方が割と多いのですが(特に男性で)、よくお話を聞き進めていくと、実は週末は昼過ぎまで起きられなかったり、日中の心身の状態があまり芳しくなかったり、「最近太ってきた」なんていうことを気にしていたり。こういう方の場合は「本物」のショートスリーパーではなく、「エセ」ショートスリーパーなので要注意です。
ショートスリーパーは練習したり訓練したりしてなれるようになるものではありません。
自分に合った睡眠時間を見つけよう
確かにショートスリーパーには憧れるし羨ましいと思ってしまうけれど、「さぁ!一緒にショートスリーパーを目指そう!」みたいな宣伝文句には騙されないようにしてくださいね。
自分にとって十分でない睡眠時間で無理をし続けていると心身へのダメージが蓄積されてしまい、ある日取り返しのつかないことになってしまうこともあります。
健康は害してからでは遅いです。
充実した毎日の資本である健康を守るためにも、生産性を落とさずに働くためにも、「自分に合う」睡眠時間を確保するように心がけましょう!
(2)Shi et al. A Rare Mutation of β1-Adrenergic Receptor Affects Sleep/Wake Behaviors. Neuron. 2019 Sep 25;103:1044-1055.
この記事の監修者
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友野なお(Nao Tomono , PhD)
医学博士/睡眠コンサルタント -
心理カウンセラー/株式会社SEA Trinity代表取締役
千葉大学大学院 医学薬学府 先進予防医学 医学博士 順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士
日本公衆衛生学会・睡眠学会 正会員
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順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科 修士
日本公衆衛生学会、日本睡眠学会 正会員
産業心理カウンセラー
自身が睡眠を改善したことから重度のパニック障害とアトピー性皮膚炎を含む体質改善に成功したことを機に、睡眠の研究に没頭。
予防医学の中でも睡眠と心理学を専門とし、科学的エビデンスに基づく情報の発信や企業コンサルテーション、商品開発、執筆、全国での講演などを行い、これまで10万人以上を睡眠改善へと誘う。